きずあと
きずあと(瘢痕、肥厚性瘢痕、ケロイド)とは?
一言で、「きずあと」と言っても様々な意味を含みます。
赤いきずあと白いきずあと、盛り上がってるか平らかなどさまざまです。
けがやヤケドは誰でも経験されたことがあるかと思います。
幼少時転倒して膝のすりきずが治った後に赤茶色のアザの様な色が残ったり、少し膨らんで硬くなっていた記憶はないでしょうか?
通常それらは3~4か月かけて消えて気にならなくなります。
しかし、傷が深かったり治療が適切でなく治るまでに時間がかかったりすると消えないきずあとが残ったりします。
きずあとの種類
① 成熟瘢痕
数年が経過した白い傷で、基本的に平らで盛り上がりがあっても少しです。
かゆみ痛みなどの症状もありません。整容上の問題になります。
② 肥厚性瘢痕
赤い傷で、正常皮膚より硬く、盛り上がっています。
また、場合によってはかゆみ痛みがあります。
1年程の期間に拡大する可能性があります。
拡大してから小さくすることは難しく、小さいうちに未然に防ぐことをお勧めします。
定期的な観察と場合によっては治療が必要です。
③ ケロイド
肥厚性瘢痕と見た目がよく似てますが肥厚性瘢痕が1年程拡大する可能性があるのに対し、ケロイドは何年もの間拡大し続けます。
肥厚性瘢痕よりも更に硬く盛り上がっています。
多くの場合痒み痛みがあります。
④ 瘢痕拘縮(ひきつれ)
上記の①~③が手や肘、膝など曲げ伸ばしがある部分や顔など柔らかくよく動く部分に「動きの制限、ぎこちなさ」を生じることがあります。
きずあとの治療とは?
けがやヤケドを適切な治療で速やかに、こじらせること無く治すことが大事です。
きずあとを残さないことを心がけましょう。
けがやヤケドには様々な治療薬(内服、外用薬)があります。
同じけがでも人によって治療薬が変わりますのでご相談ください。
① 遮光テープなどの紫外線予防
紫外線がきずあとを悪化させ消退の邪魔をします。
数か月間遮光テープ保護をして頂きます。
② 内服
「ケロイド体質」という体質があります。
きずあとに個人差があるのはこの体質の強弱によります。
ケロイド体質を抑える内服をお勧めする場合があります。
③ 外用薬
塗り薬、薬効成分をしみ込ませた貼り薬などがあります。
使いすぎると副作用が出ますので注意が必要です。
④ 形成手術
遮光テープ、内服外用だけで治るのが患者さんに負担がなく一番良いのですが、それだけで治癒しない場合もあります。
その場合に限り、就学や成長を見定めて、適切な時期に形成術を施行いたします。