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尋常性乾癬

尋常性乾癬とは?

尋常性乾癬は、全身に白いカサカサ(落屑)を伴った境界明瞭な厚みのある赤い発疹(紅斑)を生じる病気です。頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざ、おしり、太もも、すねなど外部からの刺激を受けやすい部位でよくみられますが、それ以外の部位にも発疹が出る場合があります。最初は直径数mm程度の小さな発疹から始まり、次第に乾癬特有の赤く盛り上がった発疹となります。かゆみは約50%の患者さんにみられます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。

皮膚は外側から表皮、真皮に分かれ表皮では常に新しい表皮細胞が作られています。古い表皮細胞は新しい表皮細胞によって角層へと押し上げられ、垢(あか)となってはがれ落ちていきます。この過程を「ターンオーバー」とよんでいます。ターンオーバーは通常、約28~40日で繰り返されます。
しかし、乾癬の患者さんでは、表皮細胞の異常な増殖によりターンオーバーの周期が4~5日と極端に短くなっているため、積み重なった角質がフケのようにボロボロとはがれてしまうのです。

乾癬の種類は?

(約90%が尋常性乾癬です。)

尋常性乾癬の原因は?

尋常性乾癬の原因ははっきりとは解明されていません。遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活や食事、ストレス、肥満など)が加わると発症すると言われています。細菌やウイルスによって起きる病気ではないので、ほかの人に感染する心配はありません。通常内臓を侵すことはありません。
悪化因子としては擦ったりする機械的刺激、タバコ、仕事や家庭でのストレスなどがあげられます。
乾癬では症状が出ていない皮膚に引っ掻くなどの刺激を与えると、その刺激をきっかけに新たな発疹が現れることがあります。これをケブネル現象といい、衣服や眼鏡、ベルトなどの刺激によっても起こることがあります。衣服は柔らかい素材やゆったりしたサイズのものを選び、皮膚を掻いたりしないようにしましょう。
逆に日光(紫外線)は乾癬に対し良い効果があります。夏は調子がよく冬に悪化する方が多いのですが、これは紫外線のためと考えられています。
日本の乾癬患者数は現在、日本の乾癬患者さんは約50~60万人と推計されています。欧米に比べると少ない(頻度は10分の1程度)ですが、近年は生活習慣の変化などさまざまな要因から、日本でも患者さんの数が増加しています。男女比は2:1と、男性の方が多くみられます。発症年齢は思春期からと幅広いですが、男性では50歳代、女性では20歳代と50歳代が多いとされています。欧米では頻度が高いことのほか、家族内発症が20~40%と高率であることが知られています。ただし日本では家族内発症頻度は4~5%と欧米に比べずっと低率です。

尋常性乾癬の治療法は?

最近、乾癬の病態や治療についての研究が急速に進んできました。その結果、治療方法の選択の幅がとても広くなっています。治療方法は大きく分けて、外用療法、光線療法、内服療法、注射療法があります。
乾癬は慢性で軽快と悪化を繰り返しますから一律な治療方針はなく、患者さんの病気の程度、おかれた状況に応じた治療法を選択することになります。基本は、ステロイド剤やビタミンD誘導体の外用薬で治療します。
難治な場合や痒みが強い場合は、紫外線療法免疫抑制剤による内服療法を行います。

①外用療法

 外用療法には、ステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤、ステロイドとビタミンD3の配合剤があります。

②光線療法(エキシプレックス308)

エキシプレックス308(エキシマライト)は308nmの波長の紫外線を皮膚に照射する方法です。難治な部分や痒みが強い部分に使用します。光線療法の副作用としては、日焼けのように赤くてヒリヒリしたり、茶色い色(色素沈着)がつくことがあります。

③内服療法

 内服療法には、シクロスポリンとアプレミラストがあります。シクロスポリンは免疫抑制剤の1つで定期的な血液検査が必要です。

④注射療法

 注射療法には生物学的製剤が使用されています。全身に症状がある方が対象です。とてもよく効くお薬なのですが高額なことと一定の基準が定められていて特殊な検査が必要になります。大きな病院へご紹介となります。 また、乾癬では「生活の質(QOL)※」が問題となることがあり、乾癬について深く知るためのサイトが開設されています。

 

乾癬の症状だけでなく、苦痛の程度、どの程度治したいかという患者さん本人の希望、ライフスタイルなどが考慮されます。

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