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デュピクセント

アトピー性皮膚炎の画期的な注射薬『デュピクセント』とは?

デュピクセントはこれまで治療に苦労した重症アトピー性皮膚炎の患者様でも大変すばらしい効果を発揮します。
2週間に1回の注射を1~3回することで高い効果を実感でき、16週間後には約70%の方が以下写真の75%以上改善の状態になり、約40%の方が90%以上の改善の状態になるといったデータがあります。

デュピクセントの作用機序は?

アトピー性皮膚炎を引き起こす主役は「Th2」というリンパ球です。
正常な皮膚では、「Th1」「Th2」といわれる免疫細胞がバランスよく存在しています。
アトピー性皮膚炎の皮膚では、「Th2」が増えた状態となっており、この「Th2」から分泌される「IL-4」「IL-13」「IL-5」「IL-31」などのサイトカインが皮膚のバリア機能の低下、炎症やかゆみを引き起こすとされています。
デュピクセントは、皮膚の炎症やバリア機能の低下を引き起こす原因であるサイトカイン「IL-4」「IL-13」の働きをブロックすることで炎症反応を抑制する、画期的な薬剤です。
また「IL-4」は、「Th2」を増強させる作用がありますが、「IL-4」の働きをブロックすることで、「Th2」そのものの働きを抑制し、Th2リンパ球の上流と下流で働きを抑制することができる薬剤と言えます。

デュピクセントの特性

デュピクセントの治療の対象となる患者様は?

デュピクセントはこれまで治療に苦労した重症アトピー性皮膚炎の患者様にとって画期的なものですが、投与においては対象患者様の基準が決められています。

①次の3つの項目を判定して、一定のスコア以上である(導入時に以下の測定が必ず必要です。)

  • IGAスコア が3以上
  • EASIスコア が16以上、又は頭頸部のEASIスコアが2.4以上 
  • 体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変の割合(%)が10%以上

②既存の治療で効果が不十分な中等症~重症の成人アトピー性皮膚炎患者様、もしくは副作用や過敏症のため、これらの外用療法が継続できない方

成人アトピー性皮膚炎と診断されており、かつステロイド外用剤やプロトピック軟膏にて6ヶ月以上治療を行っている必要があります、あるいは、副作用や過敏症のため、これらの外用療法が継続できない患者様が対象です。
ステロイド外用やプロトピック軟膏外用でコントロールできている患者様は含まれません。
また、免疫抑制剤(ネオーラル)やナローバンドUVBを併用すれば改善する患者様も対象とはなりません。

③外用治療も継続できる方

注射のみではなく外用も併用する必要があります。
とてもよく効く注射薬ですが、万能ではありません。

④2週間に1回の通院が可能な方

最初のうちは(自己注射ができるようになるまでは)2週間に1回の通院が必要です。

自己注射を導入されれば、1ヶ月に1度の通院で治療が可能です。
導入には最低2回の自己注射指導を受けて頂く決まりがあります。
詳しくは下の自己注射の項を参考にしてください。

⑤15歳以上の患者様(小児への適応はありません。)

⑥高額の療養費を負担できる方、あるいは何らかの補助が受けられる方

治療費についてはかなり高額です。大まかにですが4万5000円/月位かかります。
※本文最後に治療費対策を掲載しております。参考にしてください。
※大企業のお勤めの方や公務員では、一定額を超えると補助がある場合があります。
職場で確認して頂くとよいかもしれません。

※他院にてデュピクセント導入済みの方は?

他院にてデュピクセント導入済みの方でも対応可能です。
当院で治療を行うにあたって、導入時の医師の皮膚症状評価が必要となりますので、紹介状(診療情報提供書)をお持ちください。

デュピクセントの副作用は?

ふらつき感、息苦しさ、心拍数の上昇、めまい、嘔気、嘔吐、皮膚のかゆみや赤み、関節痛、発熱 などです。
※これらの症状がみられた場合には、次の受診日を待たずに、速やかに受診してください。
※これらの副作用は注射直後だけに起こるとは限りません。

その他の副作用

① 注射部位反応

デュピクセント®を注射した部位に、発疹や腫れ、かゆみなどの症状がみられる場合があります。

② ヘルペス感染

口周りや唇に発疹などがみられる場合があります。

③ 結膜炎

目やまぶたの炎症症状(赤み、腫れ、かゆみ、乾燥など)がみられる場合があります。
ほとんどの患者様は点眼薬で改善します。

④ 喘息発作

デュピクセントは喘息にも効果がある薬剤です。
デュピクセントを投与すると喘息も改善します。
もし、アトピー性皮膚炎が改善し、デュピクセントを中止したときに喘息の治療が中断していると喘息発作に襲われる可能性があります。
そのため、デュピクセントを投与中にも従来の喘息の治療は継続することが大切です。

アトピー性皮膚炎以外のアレルギー性疾患(喘息、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、じんましんなど)を合併している場合は、必ず皮膚科の主治医にそのことをお伝えください。
また合併するアレルギー性疾患の主治医にデュピクセント®を使用していることを必ずお伝えください。
自己判断で喘息、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、じんましんなどの治療薬を減量、中止せず、必ず主治医の指示に従ってください。

デュピクセントの投与に注意が必要な方は?

① 喘息のある患者様

デュピクセントは喘息にも効果がある薬剤です。
デュピクセントを投与すると喘息も改善します。
もし、アトピー性皮膚炎が改善しデュピクセントを中止したときに喘息の治療が中断していると喘息発作に襲われる可能性があります。
そのため、デュピクセントを投与中にも従来の喘息の治療は継続することが大切です。

②寄生虫感染症患者様

寄生虫に対する免疫を低下させるためです。

③妊婦、産婦、授乳婦

投与は相談の上になります。
動物実験で胎盤を通して胎児への移行が確認されています。(完全には禁止されていません。)

④高齢者

⑤生ワクチンの接種の予定のある方

デュピクセントの実際の投与について

デュピクセントは注射薬です。
1本の注射に300mgが含まれます。
これを月に2回、つまり2週間に1度注射します。
初回のみ、1回2本600mgを注射します。それ以降は、1回1本300mgの注射を継続します。

このため、2週間に1度の受診が必要です。
注射部位は、両上腕(二の腕)、腹部、両大腿(ふともも)です。

デュピクセントの自己注射とは?

自己注射用のペン型注射製剤です。最大6バイアル(およそ3ヶ月分)まで処方できます。
内服薬や外用剤と同様に処方箋をお渡しします。
調剤薬局に処方箋を提出し、デュピクセントを受け取って頂くことになります。
自己注射をするためには、院内で最低2回の指導を受けて頂く決まりがあります。
その上で、処方日には下記の指導料を負担して頂く決まりがあります。(導入初期加算は自己注射開始後3ヶ月に限り算定)

指導料 3割負担の方の負担金
在宅自己注射指導管理料 1,860円
導入初期加算(在宅自己注射指導管理料) 1,740円

以上の条件が整って初めてデュピクセントを自己注射できるという流れになります。
もちろん、これまで通り2週間毎に院内で注射することも可能です。
どちらがよいかは、患者さんの選択になります。

注射お知らせメールサービス

注射お知らせメールサービスは、2週に1度の注射のタイミングをお役立ち情報とともにメールでお知らせするサービスです。
患者さんはもちろん、治療を見守るご家族の方もご利用ください。

注射お知らせメールサービス

Q&A よくある質問

治療はいつから可能ですか?

6ヶ月以上既存の治療を行っている中等症~重症の成人アトピー性皮膚炎の方、あるいは、副作用や過敏症のため、これらの外用療法が継続できない方が対象です。
まず診察して皮疹をスコア化します。
投与はその次の受診時になります。

治療は受診した当日に受けられますか?

受診した当日には、初診の方ならこれまでの治療期間や治療内容を伺い、皮疹の程度をスコア化しなければなりません。
その上で適応と判断されれば、投与することになります。
そのため、当面は初診時には投与できません。次の受診時からの投与になります。
また、薬剤は冷蔵庫から出した後に室温で45分以上置いておく必要があります。
つまり、来院後最短でも45分は待って頂く必要があります。

何回くらい治療すれば、効果が実感できますか?

注射してすぐではなく約2週間程で効果を実感される方が多いようです。
3ヶ月経過したときには、ほとんどの症例で皮疹、そう痒ともに明らかな改善が認められます。

治療はいつまで行うのでしょうか?

基本的に、炎症とそう痒がおさまり、改善が実感できるまでは継続します。
最近の調査によると6ヶ月を目安として、よい状態が維持できるようならさらに合計1年間を目安に継続すると、注射を止めても再発しづらい状態になることが多いとの報告があります。
デュピクセント中止後も外用剤は継続する必要があります。
もし、外用のみで皮疹がコントロールできなくなったときには、デュピクセントを再開することもできます。
必ずではありませんが中止することで中和抗体が出現し、再開時に効果が落ちるとの報告もあります。

治療費はクレジットカードで払うことはできますか?

申し訳ありません。当院ではクレジットカード、電子マネーは使用できません。

高額な療養費対策は?

support-allergy.com(デュピクセントを使用される患者さんへサノフィ株式会社 )にて薬剤費や医療費について詳しく書かれています。参考にしてください。

デュピクセント相談室0120-50-4970(ゴーヨクナレ)にて平日9:00~17:00に専任スタッフが対応いたします。

① 高額療養費制度について

1カ月(その月の1日から末日)の間に医療機関の窓口で支払うべき金額(自己負担上限額)が一定の金額を超えると、超えた分を高額療養費として支給される場合があります。
ひと月の上限額は年齢や収入などによって異なります。

※support-allergy.com(高額療養費シミュレーションサノフィ株式会社)のサイトにて高額療養費シミュレーションも可能です。確認してみてください。

② 医療費助成制度について

健康保険組合、共済組合によっては一定額以上の療養費の負担を受けられることがあります。
加入の健康保険にご相談してください。

③ 医療費控除について

同一世帯の年間の医療費の総額が10万円を超えた場合、確定申告の際に領収書を提出することによって、税金の一部が戻ってきます。

*高額療養費、出産育児一時金、付加給付などの還付額医療機関や診療科の区別はありません。
下記も医療費に含まれます。

  • 薬局・薬店で購入した風邪薬などの購入代金
  • 入院時の部屋代・食事代
  • 医療機関への交通費の一部※ など
    ※自家用車で通院するためのガソリン代や駐車料金、公共の交通機関で通院できる場合のタクシー料金などは対象外です。

領収書は捨てずに、ご家族の分もまとめて保管しておきましょう。

問い合わせ先

お住まいの地区の税務署

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